わたあめ

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貴方の少し伸びた髪が肌に触れてくすぐったくなる ほんの少しの距離でも一緒がいい 私の我が儘 貴方は鼻唄まじりにハンドルを振って 慌てる私を笑っている 少し錆びたチェーンの悲鳴も 何故だかコーラスに聞こえる たいした用事も無いくせに出掛けるの 空が綺麗に晴れているから 帰り道は長い上り坂 この太陽の熱は容赦無い せっかく買ったアイスクリームも 家に帰る前に完食 私も一緒に自転車を押すよ 目的の無い時間だけど幸せ 少し余る程の休みがつまらないと思ってた 街中は騒がしくて人混みは避けたいから 貴方と細い道を選んで過ごしたいの お洒落じゃなくていい 貴方がすぐ隣に居れば… 私の慣れたパジャマ姿も もう気にしないで居られるよね この夏が終わっても何も変わらない 深夜までゲームをして 昼間は部屋で涼むの 裸足のまま寄り添い合えればいいの 今私は幸せです 幸せです 幸せです
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