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「ちょっと歩くコトになるけど勘弁なぁ~」
いかにもお気楽そうにそう言われる
でも、私は上手く返答できなくて
「あ、はい。」
話を自分からは振れなかった
彼から振ってもらえた時には、あんなに楽に喋れたのに
「どーしたん?黙り込んでまって、おにーさん寂しいのでござる」
「ござる、って智早さん何時の時代の人ですか」
「今をときめく青年だぜ」
「なんだかなあ…」
「酷い!!あんまりな酷評にパパショック!!」
「誰かパパですか、誰が」
本当に不思議だけど
智早さんと会話してると言葉が勝手に出てくる気がする
常時、そして今でさええっちなコト考えてるみたいだけど
逆に裏表が無いように思える
男性と喋ることすら苦手、というか、男性が怖い
雄が怖い
「嫌っ…!!」
「でな、おっぱいが、…ってそない嫌がらんでも…?」
月でのトラウマ
一度思い出すと止まらない
穢れた地からの侵略者
戦争、死
陵辱される子供、殺される老夫婦
拘束 包囲
部下が倒れ、同期の顔馴染みが飛び散る
そして、私自身も__
「嫌、嫌嫌ッ!!」
「-安心せえや、鈴仙ちゃん。怖いモンは此処には居ぃへんで」
遠いトコで声が聞こえた、気がした
ふと、あったかいモノに包まれる
「怖いの、やだよ…ひぐっ…死にたく、…ないよ…ぐすっ」
暖かさに、ちょっと安心する
そして、泣きじゃくる
なんだが、師匠を思い出した
よくわかんない内に、私はいっぱい泣いた
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