兎何見て跳ねる

10/10
前へ
/113ページ
次へ
「落ち着いた?」 それから30分くらい、私は智早さんの胸で泣いていた 「…ごめんなさい。突然取り乱しちゃって…」 「んにゃ、大丈夫じゃけ。誰でも思い出したくない過去の一つや二つあるモンやて」 平然と言ってのける 「智早さんにも…何か、あったんですか?」 不躾だと、解っていても尋ねてしまう 智早さんは、んー、と考えてから、一言 「あったっちゃあ、あったな、うん」 「そうなんですか…」 なんだが申し訳なくなる 「あっ、別に鈴仙ちゃんが気に病むことないで、ホンマ」 汗々と取り繕う智早さん 「んま、また今度な?今は楽しいこと考えや。これから2ヶ月くらいは神社に住むんやで。ソコでのバラ色で堕胎な日々を…」 ほわぁ~…と思い馳せる智早さん やっぱり基本的にえっちなコトしか考えてないみたいだ 「クスッ」 思わず笑いが漏れる 「何さ、鈴仙ちゃん嫌なん?」 とりあえず、この人なら信じれる気がした 「…絶対嫌です」 「なんや釣れんのぉ」 楽しく過ごせればいいな 「あ、別にこれエンディングちゃうでな?」 「ここでまさかのメタ発言ですか!?」
/113ページ

最初のコメントを投稿しよう!

162人が本棚に入れています
本棚に追加