嘘吐き兎と節約男

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「ちょっと、起きなさいよ」 誰ですか誰ですか、人を早朝から蹴りまくるのは 「起きなさいよ、早く」 「まだ大した時間じゃねえだろぉヨ」 どこぞのスラムダンクの●川よろしく寝起きは不機嫌な俺 「1日の半分もうすぐなんだけど」 「ンなにっ痛ぇ!?」 思わず飛び起きる、と グワンッ!!と派手な音がする 目に星が散った 「バーカ」 微睡みの世界からの迎えは、不適な笑みの詐欺兎 手に持つはヒモ どこに縛ってるかとか聞いたら負けな気がする そして俺の頭上には古風な金たらい なるほど、斬新な目覚ましなこった …じゃねェよ 「ッお前なァ、いーいか?夕べのテレビのオッサンはプロ!!俺ァ素人!!解る?むしろ分かれ!!」 ドリフターズ再放送とか見せるんじゃなかった 「キャハハ、おっもしろーい!!」 気にもせず笑うてゐ 「こンの…」 「キャハハハハハ、間抜けひっとりー」 「…金たらいはひでぇよ、金たらいは」 てゐと暮らし始めて数日が経った 「…尻に敷かれてンよな、俺」 「えぇ~…、幸我堅そうだからヤダ」 …俺の意味って、なんだろうな、ハハッ
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