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「ねえねえ、行ってみようよ~」
みなもはおもちゃをねだる子供のように腕をぐいぐいと引っ張ってくる。
彼女の中で何がそれほどまでに突き動かしているのか分からないが、このままでは虹が消えるまで引っ張り続けられるのは間違いなさそうだ。
「分かった! 分かったから!」
博人は観念するしかなかった。
「もう好きにしてくれ……」
みなもに引っ張られるままに、ベンチから腰を上げる。
「最初からそうしておけばいいの。素直じゃないんだから」
みなもはようやく博人の腕を離した。
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