虹のふもとに何がある?

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「……夢が、あるんだっけ?」  不安の前に立ち止っていただけの自分とは違う。 みなもは自分で考え、行動し、その不安を打ち破っていた。 「お前の夢は、なんだ?」  幼なじみの思わぬ成長に、博人は眩しさを覚えた。 「おお! それを訊いちゃうかい?」  よくぞ訊いてくれましたとばかりに、みなもはジャンプをするように勢いよく立ち上がった。  両足を揃えて着地をする間際、彼女の腰元で青い花が咲く。 「ま、博人くんになら教えてあげちゃおうかな? 私の夢。それはねえ」  みなもは上体を曲げて後ろで手を組み、にんまりと笑って、博人の顔に自分の顔を近づけて言った。 「お・よ・め・さ・ん・!」          
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