虹のふもとに何がある?

9/32
前へ
/32ページ
次へ
「虹のふもとには宝物があるって、知ってる?」 「宝物?」  博人は首を傾げた。 「どっかで聞いたことのある話だな」 「うん!」  みなもは大きく頷く。 「あの虹のふもとにも、きっと素敵な宝物があるんだろうね」  みなもは希望に満ち溢れた顔で虹を見つめていた。  一方、博人は眉をひそめた渋い顔をしていた。みなもの横顔から、何やらただならぬ気配を感じ取ったと言ってもいい。 「まさかとは思うけど、俺は断固とし――」 「行ってみよっか!」  みなもは勢いよく立ち上がると、両手で博人の腕を引っ張った。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

919人が本棚に入れています
本棚に追加