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「虹のふもとには宝物があるって、知ってる?」
「宝物?」
博人は首を傾げた。
「どっかで聞いたことのある話だな」
「うん!」
みなもは大きく頷く。
「あの虹のふもとにも、きっと素敵な宝物があるんだろうね」
みなもは希望に満ち溢れた顔で虹を見つめていた。
一方、博人は眉をひそめた渋い顔をしていた。みなもの横顔から、何やらただならぬ気配を感じ取ったと言ってもいい。
「まさかとは思うけど、俺は断固とし――」
「行ってみよっか!」
みなもは勢いよく立ち上がると、両手で博人の腕を引っ張った。
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