99人が本棚に入れています
本棚に追加
『The lightning flashed across the sky.』
窓の外が光るたび、しばらくして響く音に震える。
「城崎、城崎、」
城崎は呑気に珈琲を飲んでいた。しかもブラック。
なんてやつだ。
「どうかした?」
「お前雷怖くねーの?」
城崎はキョトンとした顔をしてから別に、と肩をすくめる。
「停電とかは?」
流石に真っ暗は怖いだろうと訊ねてみるが、
「むしろなってほしいね」
なんてほざきやがった。
それどころか城崎は笑って、だって絶景じゃないか。あぁそうだ。先に消しておこうか、なんて言って電気のスイッチに手を伸ばすから、慌てて止める。
「バカかてめー」
「相変わらず口が悪いな」
そう言ってまた笑う城崎。この余裕がムカつく。
その時、窓の外がいままでで一番光った。
「あぁ、次のは大きそうだね。大丈夫?」
城崎の予想を聞いて、思わず座りこむ。これじゃ怖いって言ってるのと同じだ。
「ほら、きた」
呑気な城崎の声を聞きながら、本当にきた物凄い揺れにじっと耐える。
長い。
「あ、」
城崎の間抜けな声。電気が、消えた。
停電だ。真っ暗。怖い。
.
最初のコメントを投稿しよう!