学者観察日記。

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『He doesn't really hate he. He is only acting』 君は、 「僕が嫌いなのかい」 「…………は?」 唐突な質問だった。いや、疑問形ではなかったけど。 「とうとう頭がおかしくなったのか?」 「失礼な」 だってそれ以外考えられない。 俺が城崎を嫌いだと? 馬鹿言うな。 「下らねぇ事喋ってる暇があんなら働け」 「手は動かしてるよ。だから空いてる口を使ってる」 屁理屈だ。 「なら口も何かに使え。昼飯食うとか」 「さっき食べたね」 「茶ぁ飲め」 城崎が、いつの間にか手に持っていたコップを机に置く。 「もう飲み終わったよ」 それはつまり遠回しにおかわり入れろって事か? めんどくさい奴だな。 それ以上馬鹿な事をほざかれるのも面倒で仕方なくお茶を入れに腰を上げた。 「冷たいの飲みたい」 「……うぜぇ」 おかわり催促した上に注文までしやがった。何て野郎だ。 それでもわざわざ冷蔵庫から冷えたお茶を出してやったのに。 「で、君は僕が嫌いなのかい」 「まだ言うか」 .
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