イミテーション

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それが不可能と知った今では、もう俺にはマイナスしかないものだと思っていた。 二度覆されたこの状況に、俺はまだ動揺を隠せない。 「悠? 何してんの」 「いや、別に。単に暇なだけだ」 ついさっきまで思考の九割を占めていた陽が訝しげにこちらを見ている。 開いている本を持っているにも関わらずそこから1ページも捲らない事を不審に思っているのだろうか。 多分大正解。 「そうか。ならさ、ちょっと手伝ってくんね?」 「何を、」 「倉庫の掃除」 倉庫? あぁ、アレか。あの、二年くらい放ってた部屋ね。 わざわざ掃除する必要があるのか訊ねたくもなったが、大方稜先輩にでも押し付けられたのだろう。 あの人意外に横着だから。 .
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