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「本当なのか。……で、返事何て言った?」
どうやら情報は信憑性がない上に中途半端なものらしい。どうせなら結果まで伝えろよ。
しかし結果を知って白川に何かメリットがあるとも思えない。
「別にお前が知って得になる事じゃねーよ」
俺の答えに白川がえー、と不満の声を上げる。
「どうでもいいだろ、そんな事」
「……まぁいいけどさ」
白川は少しつまらなそうに言って、座っている椅子の前足を浮かせた。
「危ねーぞ」
「大丈夫でしょ」
「……いっそバランス崩して床に叩きつけられろ」
「あはは、いやだね」
笑っていた白川だが、ぐらりとバランスを崩しかけてその笑みも消える。白川はガタンと音を立てて椅子を通常の状態に戻した。
「うるさい」
「……マジでビビった」
「だからやめとけって言ったじゃねーか」
注意を聞かなかったお前が悪い、と言いながら、俺は自分を落ち着かせるのに精一杯だった。
……偶然だよな。よくある事だよな。
大丈夫。白川の不注意だ。
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