もしもの話

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俺はすっかり無口になり、人を避けて過ごすようになった。 この前告白されて分かったが、言霊の事はまだ知られていないようだ。 白川とはよく一緒にいるが、中途半端なので多分気付かれてはいない。 しかしここで問題なのは、俺は口が悪いという事。 たまに自分でも酷いと思う事が口から出てしまう。 「なぁ白川」 「ん、なにー? てかまだ帰る用意してないし」 白川に言われて気付く。もうこんな時間だ。 机の上にある物を片っ端から鞄に詰め込んだ。 「俺はコレ職員室に持ってくから、先帰っていいよ」 「え、もうこんな時間だし一緒に帰ろうよ」 「……別にいいけど」 教室の鍵をかけ廊下を歩く。するとばったり先生に会った。 「お、お疲れ」 「あぁ先生、これ」 「どーも。じゃぁな、気をつけて帰れよ」 先生が手を振る。これで職員室へ行く手間が省けた。 ちょっとラッキー、なんて思ってみるけど大体俺のラッキーは言霊の上に成り立ってるからな。 白川が俺の言った通りにならない事実は俺を安心させる。他の人はまるで俺の言った通りに動くから。
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