3杯目

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  クスッと笑うと匠の前に回り込んだ。 「後腐れなくするため?」 匠「……だな」 「サイテー」 ケラケラ笑う姿に手を伸ばす。 「どうした?」 匠「ゴミ」 ゴミなんか付いていない。 でも触れたい。 匠(俺らしくねぇ。酔ったか?竜さんの代わりをするために傍にいただけなのに) 性以外で自分から女に触れたいと思ったことはないに等しい。 自分で仕掛けた罠に自分で掛かってしまったように思えた。 「匠」 不意に名前を呼ばれ、パッと手を引っ込める。 「疲れてるでしょ?寝不足みたいだし。最近、寝れてないの?」 頬に添えられた手に目を細め、グラつく感情を必死に抑え込んだ。 匠「……近いからな。母さんの命日」  
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