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まだ怒りは収まらない丈治が信太をニラミ付けると、信太はそのニラミに焦りもせずに普通に返して来た。
信太
「残念ながらそんな事で我々は死ねませんよ?」
丈治
「なんでだよ!」
信太
「我々の身体は人間の身体と比べて、 "自己再生能力" の速さとその細胞レベルが違います」
「人間がかかる病原体には体内で抗体が直ぐに生成されますし、体内に異常が有ればそれを自動的に治癒するようになってます」
「考えてもみて下さい。我々が解放して能力を発揮する時、体温は50度以上に上がるじゃないですか?」
「その際、血液の凝固を防ぐ為に心拍数も急激に増えているんです。それだけの負荷をかけても死なない身体なだけに、怒ったくらいの血圧で死ぬ事なんて出来ません」
その説明を聞いた丈治は『お前だって俺達の設定補足入れてんじゃねえか…』と、言ってやりたかったが、更に面倒くさい事になり兼ねないので言葉には出さなかった。
丈治
「微妙に言いくるめられてる感はあるけど…そう言われてみればそうだな…」
信太
「それに前田さんの身体は "真祖" に馴染みましたから、後200年以上は生きますよ」
丈治
「!!!!」
「に、200年以上だと!!」
信太
「はい、真祖は元来長生きですからね」
丈治
「……サ、サラッと言ってるけど200年は言い過ぎじゃね…?」
信太
「いえ、現に生きた見本が目の前に居るじゃないですか?」
丈治
「……居るって…アンタ死んでんじゃねえか…」
信太
「なッ!? 前田さんこそ何サラッと言ってるんですか!私は死んでるのではなく!仮死状態になんです!」
丈治
「……だから死んでんじゃねえか…」
信太
「違いますよ!読んで字の如く、仮の死!即ち、死んでないんです!」
丈治
「仮の死って事は…仮でも死んでんだろ?だったらやっぱ死んでんじゃねえか…」
信太
「違いますよ!仮の死と言う事は死を偽った状態なんです!もうちょっと日本語勉強して下さいよ!」
丈治
「……」
イギリス生まれのモンスターに日本語の説教をされる日本人…。
信太
「もう!そんな事じゃ日本を背負って生きて行く若者として恥ですよ!恥!」
丈治
「……」
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