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丈治
「短くねえよ…。さっき200年は生きるって言ったじゃねえか…」
信太
「確かに!アハハハハ」
丈治
「……ヤロォ…またそれでゴマかす気か…」
あっけらかんと笑う信太を見て、呆れると同時に『お前らが居なけりゃもっと人生楽しいよ…』と、心の中で思っていた。
その後暫く二人でテレビを観ていたが、マジック番組は終わり、豆鬼達が話していた誘拐事件のニュース番組が始まった。
丈治
「またこれか…最近やたらと流れてない?」
信太
「そうですね。一番良く目にするかも知れませんね」
そう信太が答えると、タイミングを計ったかのように豆鬼が入って来た。
豆鬼
「その誘拐には裏があるかも知れんぞ?」
その声に二人が振り返ると、豆鬼は神妙な面持ちでニュース番組を観ながら話しかけていた。
丈治
「あ、豆さん。裏ってなんです?」
豆鬼
「あぁ、その事件には奇妙な噂が出ておってな」
丈治
「奇妙な噂?」
豆鬼
「うむ。どうやらその誘拐なんじゃが……ん?半蔵門はどうした?」
豆鬼が噂について話しを続けようとした時、半蔵門の姿が見えずに部屋の中を見渡した。
丈治
「あぁ…あのバカならどっかに隠れていますよ…」
豆鬼
「またか…」
毎度の事なので豆鬼も多くは聞かなかったが、今回の誘拐事件については半蔵門にも説明をする必要があった為、式神を呼んで半蔵門を連れて来るよう指示した。
そして暫くすると、式神達が半蔵門を見つけ、廊下に騒がしい声が近づいて来る。
半蔵門
「チョッ、チョット!ソノ部屋ハダメダッテ!ダメダッテバッ!」
式神二人に担ぎ上げられた半蔵門は必死に文句を言うが、式神達は全く聞く耳を持たずに部屋へと運び込んでしまった。
そして担ぎ上げられた半蔵門は、部屋に入るなり畳に投げ降ろされた。
ドスンッ!
半蔵門
「ピギャッ!」
投げ捨てられるように降ろされた半蔵門は畳にお尻を叩きつけられ、そのお尻を擦りながら式神をニラミ付ける。
半蔵門
「モウ!痛イジャナイカ!投ゲナイデヨ!」
そう乱暴な扱いされた半蔵門が文句を言うが、当の式神は無反応で部屋を出て行ってしまった。
そして半蔵門が怒りながら立ち上がろうとすると、その後ろから丈治の冷たい視線が突き刺さっている事に気づく。
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