誘拐事件

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豆鬼 「うむ。確かにサロルド・ミッシェルはアメリカにおるハズじゃ。じゃが、未だ所在がまだ掴めておらんのも事実…。イギリスに移動していてもおかしくないじゃろ」 丈治 「そ、それはそうですが…」 豆鬼 「否定したくなる気持ちはワシにも分かる…が、どう考えてもサロルド・ミッシェルに辿り着いてしまうんじゃ…」 「そして、子供にそんな操作をするとするのであれば…その子供を使ってなんらか行動を起こそうとしているのかも知れん」 丈治 「!!」 「子供を使ってですか!!」 豆鬼 「うむ。全ては行き過ぎた推測になって欲しいものじゃが、その可能性も出てきておる事だけは覚えておいてくれ」 豆鬼がそう話しを締めくくると、丈治の顔はおのずと真剣な表情に変わっていた。 そして丈治が信太の顔を見ると、流石の信太も神妙な顔をしていた。 その信太の反応を見た丈治は、今の話しが本当の事にもなり兼ねない事だと感じ取り、不安を拭い去る為にも信太の意見を聞く事にした。 丈治 「な、なぁ…。信太さんは今のどう思う…?」 不安の表情になり始めた丈治が質問をしてみるが、当の信太は答えず、ただ黙って何かを考えていた。 その真剣な表情を続ける信太を見た丈治は、これ以上質問を繰り返しづらくなり、その信太の考えがまとまるまで待つ事にした。 丈治 「……」 信太 「……」 丈治 「……(チラッ)」 信太 「……」 丈治 「……(チラッ)」 信太 「……」 丈治 「……(チラッ)」 信太 「……」 丈治 「……おい…なんか言えよ…」 いい加減反応のない信太にたまらず丈治が声をかけると、何やら真剣に考えていた信太の口が漸く開いた。 信太 「え?あぁ~すいません。なかなか良い物が浮かばなかったもので」 丈治 「なんだ?作戦でも考えてたのか?」 信太 「え?いえ、今の話しでは何も作戦など作れませんよ」 丈治 「んじゃ、なに考えてたんだよ?」 信太 「そんなの決まっているじゃないですか?ボケです。ボ~ケ」 丈治 「……お前…今の話し聞いてたか…?この状況でボケる必要ねえだろ…」 信太 「!?」 「なに言ってるんですか!? そんな真面目な事してたら、私の役目がなくなるじゃないですか!」
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