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場をわきまえない信太は何故か逆ギレ状態になっており、その態度に丈治は怒るより呆れるしかなかった。
そしてそんな態度が堪に触ったのか、信太は火の点いたように文句を言い始めた。
信太
「なんですか前田さん!その反応は!アナタこそ自分の役目を果して下さいよ!」
「この際だから言わしてもらいますけどねえ!最近の前田さんは、ツッコミと言うより……」
突然力説を始める信太に、丈治は『付き合うと長くなるな』と、思い、その信太を無視して豆鬼に話しかける事にした。
信太
「暴力に似た……」
丈治
「それより豆さん。その噂が調べ終わるのって何時ぐらいになるんです?」
信太
「……いつだって私は泣きを見て……」
豆鬼
「そうじゃのぉ…今日聞いたばかりじゃからなぁ…最低でも2~3日はかかるかも知れんな」
信太
「少しは優しさを……」
丈治
「2~3日か…その間、俺達はただ待ってるだけでイイんですかね?」
信太
「笑いに変えるべきだと……」
豆鬼
「ん~それなんじゃが…」
信太
「私は言いたい!……って、聞いてませんね…?」
あまりにも見事に無視された会話は、まるで信太がその場に居ないように進められた。
そんな状況で信太も負けじと文句を言い続けてはいたが、これ以上続けていても意味がない事を悟った。
そして無視して話しをする二人を眺め、『そう来るなら私にも考えがあります…』と、無視された反撃として、その二人の会話に無理矢理割って入る事にする。
丈治
「何かやる事でもあるんですか?」
信太
(ボソッ…)
「何かやるって言ったって、前田さんに出来る事はツッコミくらいしか出来ませんけどね…」
仕返しとばかりに二人にも聞こえるように信太がつぶやくと、当然聞こえていた丈治の眉間がピクリと動き、一瞬文句を言おうと身体が反応してしまいそうになった。
しかし、せっかく進み始めた会話を台無しにしない為にも、丈治は更に無視して話しを進める事にした。
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