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丈治
「…で、俺達はどうすればイイんですか?」
豆鬼
「うむ、そこで相談なんじゃが…先発でイギリスに向かって欲しいんじゃ」
丈治
「せ、先発って!イギリスにですか?」
信太
(ボソッ…)
「それ以外どこがあるんですか…。ワザワザ聞き直す必要もありません」
丈治
「……」
(イライラッ…)
豆鬼
「うむ。何も分からんで出発させるのは忍びないが、ワシが思うにこの噂は噂で終わらん気がする。じゃからまずは誘拐事件が多発している地区へおもむき、そこで何か不穏な動きがないか探って欲しい」
丈治
「!!」
「そんな探って欲しいって!漠然とし過ぎて何をすればいいのか分からないじゃないですか!」
信太
(ボソッ…)
「どうせ説明したって前田さんには分かりませんよ」
丈治
「……」
(イライラッ…)
豆鬼
「それについては追って指示を出す。じゃからまずは向かう準備をしておいてくれ」
丈治
「!!」
「ちょちょ!待って下さいよ!話しが急展開過ぎますって!大体、どうやってイギリスまで行くんですか!? 俺はともかく、信太さんは外に出れませんよ!?」
信太
(ボソッ…)
「箱入り息子ですいません…」
丈治
(イライライラッ…)
「そ、それに半蔵門さんはココから出られても、パスポートとかナイから動けないですよ!?」
そう信太の邪魔を我慢しながらも丈治が半蔵門を指差すと、信太のマネをして半蔵門もつぶやいて来た。
半蔵門
(ボソッ…)
「密入国者デスイマセン…」
丈治
「うるせえッ!お前は黙ってろッ!!」
半蔵門
「!!」
「エェェェ━━━ッ!ナンデ僕ダケ!?」
丈治
「やかましい!驚いてんじゃねえ!そこで怒られるのが役目だ!!」
半蔵門
「ソンナァ…」
理不尽な言い分ではあったが、何故か半蔵門も軽く納得してしまった。
そしてその状況を見た信太は、他人事のように笑い出した。
信太
「アハハハハ。半ちゃんはイイですね~オイシイ所を貰えて」
半蔵門
「エ?ソ、ソウカナァ~」
信太
「そうですよ。羨ましいくらいですよ?アハハハハ」
完全に他人事へとすり替えた信太が笑い続けていると、その態度に我慢の限界を越えた丈治が信太の頭を殴った!
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