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その突然な無茶ぶりに半蔵門が焦りながら信太の顔を見るが、信太は笑顔を崩さず、何も語らず見つめ返していた。
そしてこの状況に怯えながら丈治を見ると、その丈治は目を細めて見つめていた。
丈治
「……」
半蔵門
「!!!!」
「イ、イヤッ!? ア、アノ…エットォ…」
突然の無駄ぶりは半蔵門を窮地に追い込み、最早反論した時点で殴られそうな雰囲気だった。
そして怯える半蔵門をしり目に、丈治は半蔵門から信太に視線を切り替えた。
丈治
「さて…今の話しの何処にチンゲン菜が関係あんのか知らねえけど…。そこまで言うなら書いてもらおうじゃねえか…なぁ」
信太
「えッ!? い、いやだから!私ではなく半ちゃんが書けるって言ってるんですよ!そんな目で威嚇しても私は書けませんって!!」
「は、半ちゃん!はは、早く貴方の頭が良い所を見せてあげて下さい!」
丈治の視線に危機を感じた信太は、慌ててその矛先を半蔵門に移そうとしていた。
そしてその必死な姿を見た丈治は一度ため息をつき、ゆっくりと立ち上がって半蔵門を見下ろした。
丈治
「…まぁいい…話しの腰を折ってまで言うなら…書いてもらおうか…。半蔵門くん…」
半蔵門
「ヒィッ!!クンヅケ!?」
その視線は正に氷のように冷たく、身体の奥まで一瞬にして冷えきるような感覚だった。
そして丈治はそれ以上語らず、何処からか取り出したのかメモ帳と鉛筆を差し出した。
そのメモ帳と鉛筆を受け取った半蔵門は、今後の転換に手を震わせながらも文字を考えた始めた。
半蔵門
「エ、エット…」
突然の事に半蔵門はチラチラと信太を見ながら助けを期待したが、信太は知らん顔しながらソッポを向いていた。
そして逃げ場を失ったと半蔵門は、その震える手でなんとか文字を書き上げた。
半蔵門
「……デ、出来マシタ…」
出来上がったメモを丈治に渡すと、丈治がその文字をゆっくりと読み始める。
丈治
「……珍……………国際…………空港って!下ネタじゃねえかッ!!」
読み上げた丈治はコレまた何処から出して来たのか分からないハリセンで半蔵門の頭を殴った。
丈治
「どこがチンゲン菜なんだよ!当て字で下ネタ書いてんじゃねえッ!!」
半蔵門
「……ダ、ダッテ…ソンナ漢字知ラナイモン…」
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