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ガイの手前の地面に剣を振り下ろし、幾つもの岩片を彼目掛けて飛ばす。
ガイは持ち前の瞬発力で全ての岩片を避けた、が。
「これだけで終わるとは思ってないよね……?」
「なっ……」
右の太ももに強い痛みが走り、ガイの体が崩れる。
ヘイトに深く斬られたところを手で押さえながら、ガイは彼を見た。
「ゆっくり、殺してあげるよ……」
そう言ってヘイトは再び構えた。
ガイは痛みを堪えながらも鞘を支えにして立ち上がる。同時にヘイトは攻撃を始めた。
「くそっ……!」
足の傷のせいで彼の連続攻撃に追い付かない。
急所は外しながらも身体には傷が増えていき、スピードも徐々に落ちていく。
「岩砕襲撃!!」
「ぐあっ!!」
衝撃波に耐えられず、吹き飛ばされ木に叩き付けられた。前のめりに倒れるガイをヘイトは冷たい瞳で見つめる。
「つまんないなぁ……もう終わり?」
荒い息を繰り返しながらガイは悲しい目でヘイトを見上げた。
剣が振り上げられる。
「……おやすみ、ガイラルディア・ガラン・ガルディオス……」
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