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焔の光が見えた、気がした。
「──双牙斬!」
彼の得意技がヘイトとガイの間に注がれた。ヘイトは舌打ちをしてガイから身を離す。
「大丈夫か!?ガイ」
「……ルー、ク……」
ルークはガイを抱き、少年を睨み付けた。
その少年は、後ろから他の仲間が来るのを確認して、フードを被る。
「ガイラルディア……次こそは、殺す」
「お、おい!待てよ、お前!!」
ガイを抱いたままだったルークは、ただ一瞬で消えた少年を見送ることしか出来なかった。
悔しい思いを胸にしながら彼がいたところを見つめていると、遠くから仲間の声が聞こえてきた。
「ガイ!無事ですの!?」
「今、譜歌を……」
「……悪い……」
ルークに支えられたまま、ガイは呟くように言う。
「まったくですよぉ、心配したんだから~」
「後でちゃんと、説明してもらいますよ」
「あぁ……」
ほっとしたのだろう。
ジェイドの言葉を最後にガイはそっと意識を放した。
♪♪♪
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