予感

2/3
前へ
/26ページ
次へ
「……遅いですわね、ガイ」 「そういえばそうね」 ナタリアは心配そうに窓辺から外を見回した。 買い出し当番であったガイは、一時解散してからは一人で別行動をしていた。だが、集合時間──と言っても、時間にルーズなルークの為に作られたものなのだが──が過ぎた今になってもガイは集合場所である宿屋に戻ってくることはなかったのだ。 「おや、珍しいですね」 と言いながらも読んでいる本から目を離さないジェイドは、あまり心配していないらしい。 「女性に絡まれてたりして~」 笑顔でアニスは言う。ジェイドも「そうかもしれませんねぇ」と笑顔で答えた。 その様子を鮮明に想像することが出来た他のメンバーは、本当にあり得そうだとため息を吐いた。 「……いや、もしかしたらミュウが何かやらかしたかもしれねぇ……」 今回はちゃんと集合時間前に帰ってきたルークが呟くように言う。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

86人が本棚に入れています
本棚に追加