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「……みゅうぅ……」
残されてしまったミュウは困って、鳴いた。
ガイの顔には余裕がなかった。嫌な予感がミュウにはしたのだ。
助けに行きたい。が、戦闘では力になれないことをミュウには分かっていた。
「ご主人様……そうですの、ご主人様ですの!」
ミュウは宿屋へと走った。このことをルーク達に伝えるために。
♪♪♪
先に口を開いたのはガイだった。
「あんたは何者だ?」
矛先を相手に向けたまま。
人から恨まれる様なことをした覚えは、ない。しかも自分の昔の名を知ってる者にだ。
ガイは目を細めて遠くの少年を見る。フードを被っており、顔は見えない。背はティアと同じくらいだろうか。
「……やっぱり、覚えてないんだ」
その言葉にガイは眉をひそめた。
冷笑しながら、少年は話を続ける。
「あたりまえ、か。会ったのことがあるのは10年以上も前……しかも1回きりだもんね」
「まだ、ホドが存在していた頃……?」
「そうさ。僕はヘイト──」
彼はフードを外した。
「僕はヘイト・ラ・カリスンだよ、ガルディオス家の生き残りさん」
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