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「ヘイト・ラ・カリスン……!?」
覚えのある名前を耳にした途端、ガイの記憶がよみがえる。
漆黒の髪に、金の瞳。ガイを驚かせるのはそれだけで十分だった。
ヘイトは彼の反応に、にやりと笑う。
「ようやく気付いてくれたみたいだね。じゃあ──死んでもらうから」
ヘイトの目付きが急に変わり、ガイに斬りかかる。それを防いだガイとヘイトは目を合わせた。
ガイは明らかに動揺していた。先ほどよりも抑える力が弱くなっているのに感じた少年は更に力をかけ、ガイを吹き飛ばす。
「──獅吼滅龍閃!」
「がはっ……!!」
あまりの衝撃に息が詰まって咳き込んだ。それにも関わらずヘイトはガイに攻撃を仕掛ける。
「崩襲撃!!」
「……くっ」
真っ正面に振り落とされる剣をなんとか避けたガイは立ち上がり、剣を構えた。
が、攻撃はせず、彼から逃げる様にしてかわすだけだった。
「あれ、反撃して来ないの?本当は出来るくせに……」
そう、だがガイは攻撃をしたくなかったのだ。否、する資格がなかったのだ。
「……っ……」
「なら、まずは逃げられないようにしてあげる……爆砕斬!」
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