努力と目標

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「……うん。みんなにおやつ買って帰ろ?」 車椅子に座った奨くんをちょっと待たせて、おいらも靴を履くと、リハビリ室を出て、渡り廊下をゆっくりと進んだ。 「あっ! 奨くん。距離測るの忘れてたねっ!」 「……明日にしようよ」 普段では聞けない奨くんの気だるそうな声に、そうだね。と、おいらはエレベーターホールで下のボタンを押した。 直ぐに来たエレベーターに乗り込んで、1のボタンを押してしばらくすると、一階の吹き抜けのホールが広がる。 車椅子を押して、左手奥の売店を目指す。 よほど疲れているのか? 一言も言葉を発しない奨くんは、両肘を張るようにひじ掛けに押し付けて、なんとか身体を支えているように見えた。 「あれっ? 奨さん!」 コンビニの様な売店に入ると、聞きなれた可愛い声が横から聞こえた。 「拓も買い物?」 拓の方に車椅子を向けると、拓はちょっと屈んで奨くんを覗きこみ、お帰りなさい。と微笑んだ。 、
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