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「拓、1人じゃないよね?」
全く、可愛いんだから1人は危ないぞ! と見当たらない2人の所在を聞くと、棚の裏を指差して、お菓子でだだ捏ねてるんですよ。と、拓は苦笑いした。
だだ捏ねてるんですよって……。雅だなと、奨くんを拓に任せて、棚の裏を覗くと、潤と雅がお菓子の前でしゃがんでいた。
「だだだからね、1個にしてよ」
「エラベナイノ! ヨンコカライッコニシボレナイ!」
…………。
雅、もう中学生なのにお菓子が1個に絞れないって、どんだけだ? とおいらでも思ってしまう会話を2人は小声で真剣にしていた。
「潤、雅。拓を1人にしちゃダメでしょ?」
2人にそっと近づいて、上から声をかけると、雅がおいらの服を掴んだ。
「リーダー。ジュンガイッコッテイウ~!」
うるうるな上目遣いで訴えてくる。
「はぁぁるにぃ。1個でいいよね?」
雅が膝に乗せたお菓子を、横から器用に棚に戻す潤。
潤の方がお兄さんだなぁ……。なんて思いながら、潤がいじめる! と騒ぐ雅の頭を撫でてあげた。
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