シリアス 第二章【波留―Haru―】

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悪夢にうなされて波留は目を覚ました。夢の余韻がまだハッキリ残っていて、自分が何処いるのか一瞬分からなかった。 荒い息のまま天井の窓に目をやると、まだ窓の外は薄暗く、日が昇る前の青みがかった空が見える。 「朝、か」 頭の芯がキリキリ痛む。同時に、自分がひどく汗をかいているのに気付いて不快感を覚えた。時計に目をやると午前5時少し前。寝始めたのはつい1時間ほど前だ。 「これ以上は寝れないか」 しばらく考えてやっと今日が水曜日で、学校がある日だと気付いた。 波留は上半身を起こしながら、自分がもう随分と長い間学校に行っていないような気がした。実際に数えてみれば、ほんの1週間ほどの事なのだが、彼がそれ以上に長く感じたのにも理由がある。
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