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「・・・なー、坂野」
「何ですか?万年補欠投手の瑞兎(みずと)君。」
「うっせー。・・・まだあいつのこと好きなのかよ」
「話しかけてきたかと思えばそんなことですか…」
呟きちょっと不機嫌そうになりながらも、坂野の目線はヘラヘラ笑うあいつから外れない。
俺は後ろにある階段に座り、そんな坂野を見る。
「・・・なんで分かったんですか?」
「何がだよ、盗撮部の梨羽さん。」
「五月蝿い。…私が彼のこと好きだってこと。」
そんなことか…と今度は俺が呟く。
「お前、いっつもあいつのこと見てるだろ?」
そういうと坂野の目線が初めてあいつから俺に移った。
あ、ちょっと優越感。
なんて勿論口にも表情にも出さない。
「そんなにあからさまですかね…」
「そんなにあからさまだって。」
あいつのとなりに居るとすぐ分かるくらい。
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