始まりは唐突に

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「今日の放課後、どうする?」 そう言うと直樹は下駄箱の扉を開けた。 「そうだな、ゲーセンでも寄って帰ろうぜ」 数時間も後の計画を今立てるのも変だが、これが俺達流ってやつだ。 キィ パサッ 「ん?」 「どしたー?忘れ物かー?」 「いや、これは…手紙、か?」 足元に落ちた封筒を持ち上げて、眺めてみる。 「誰から?」 「さあ?書いてない」 「誰宛?」 「俺、らしい」 裏に『春原亘さんへ』ってあるからまず間違いないだろう。 「なんだって?」 「なぜお前がそれを気にするのかが謎だ」 とりあえず封を切って、中の手紙をとりだした。 ―――――――――――― 春原亘さんへ お話があります。 放課後、屋上に来てください。 待っています ―――――――――――― 「だ、そうだ」
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