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食後にはコーヒーまで出してもらって、まさに至福の時間を過ごしていた。
食事も終わり一瞬の沈黙。
「えっと…田中さんは、いつも帰りはこの時間なんですか?」
何をどう話せば良いのかわからず、無難な線といえば、やっぱり仕事の話だろうか。
「ちょっと少年。“田中さん”は、やめてほしいなぁ。一気に老け込んじゃうでしょう?」
「え…。と。じゃあ“深雪さん”?」
思わず読んじゃったけど…イイのか?(汗)
「あはは。よしよし。」
彼女は豪快に笑ってみせる。
この人…。男っぽい所がなければ綺麗なのに。
「仕事はね。その時期によってマチマチなのよ。デザイン関係の仕事なんだけど…内容によっては、もっと遅い時だってあるのよ?」
そう言いながら、ふっと横の箱に目をやった。
さっきのダンボール箱だ。
「あっ!デザインの仕事なんですか?だから絵の具とかが、あったんですね。」
…あえて写真の事は口にしなかったが。
言葉にしてから言って良かったのか、正直、焦った。
「絵の具と一緒に写真、あったでしょう?」
彼女は静かに話し始めた。
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