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「やぁっべー!!間に合うかな?!」
オレ、大学生やってる牧原有介(まきはらゆうすけ)
ちょっとのつもりで寄ったのに、本屋で長居しちゃったオレも悪いけど…。
帰り道の途中で家のカギをなくした事に気が付いたおまぬけヤローです。
今日は確か、夜からみんな出掛けるって言ってたから、マジ急がないとヘタしたら家に入れないぞ。こりゃ。
いつもなら、晩飯だけじゃ足りないからってアレコレ買っていくコンビニだけど…今日はそれどころじゃない。
コンビニも横目に駆け足で道のりを急ぐ。
走って走って走って…この角を曲がれば我が家だ!!
ガチャ!……ガチャガチャ!!
走った甲斐虚しく開かない扉の音がやけに響く…。
「うお―――っ(涙)オレの努力は一体何だったんだ―――!
あ!ケータイ……うッ!!」
ケータイの画面は電池切れで真っ黒。
成す術もなくオレはその場に座り込む。
まぁ。こんな状況でも腹は減るっつーのが人間で。
『グゥ―――っっ』
オレも例にもれず、その人間の一人で。
「仕方ない。コンビニで何か買お。」
その後、ある出会いが起こるとは思いもしなかった。
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