3人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
父さんは出張。
兄弟はどうせ遅くまで帰ってこないか、ヘタすりゃ友達の家に泊まりって事も考えられる。
母さんは久々の同窓会だって言ってたけど、確実に帰ってきそうなのは母さんだな。
ゲームでもしていれば時間なんて、あっという間だと思ったけど…。
「あっ」
ケータイが電池切れだった事を思い出す。
まぁ。母さんが戻ってくるまでの数時間さえ何とかすれば…。
そうブツブツ言いながら歩いていると、何人かはすれ違う瞬間に振り返っていく。
…今のオレって変態か?!
そんな事を考えながらトボトボとゆっくり歩く。
途中に公園があるけど、とっぷりと暗くなった公園で薄暗い外灯だけでは心許ない。
男だって、さすがにここで時間を潰すのは気味が悪いな…。
はぁ~。
ずっと前にでっかいハーレーに乗ってたおっさんがコンビニの前で豪快に笑いながらコーヒーを飲んでる姿は格好良かったけど…。
コンビニの前で座り込んでるヤツの真似はしたくなかったんだけどなぁ~。
この際だ。背に腹は変えられない。
そんな妙な決心を胸に、明るく光るコンビニへと向かう。
最初のコメントを投稿しよう!