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食事が出来るまで…と、彼女はコップによく冷えたお茶を出してくれた。
家ではいつも麦茶しか出てこないけど…麦茶とは違う味だ。
でも、これが何というお茶なのか…皆目、見当もつかない。
オレが匂いをかいだりコップの中身をジロジロ見たり…不思議な行動をとっている様に見えたのだろう。
「お茶…口に合わなかった?」
彼女が怪訝そうな顔で聞いてきた。
「あっ…いや。飲んだことのない味だったから…。」
オレはちょっと慌てて言葉を返した。
それならイイけど…と言うようにクスッ…と軽く笑って彼女は流した。
「ねぇ?嫌いな物とか食べれない物ってあった?」
「いや…。大抵の物は食べれます。」
今頃?
と思いつつ、特に苦手な物もないし…それに、ご馳走になる分際で、好き嫌いまで言えないだろ。
「良かった。パスタと唐揚げ作ってるんだけど…クッキングペーパー無くなっちゃった。棚の上に予備があるから取ってくれる?」
彼女にそう頼まれ、出された台に昇ると棚の上がよく見えた。
横には小さめのダンボール箱が見えていた。奥にクッキングペーパーを見つけ手を伸ばす。
…その瞬間。
「あっ!」
手が当たり、宙を舞う箱を目で追った。
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