PM10:30

3/6

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
  食事が出来るまで…と、彼女はコップによく冷えたお茶を出してくれた。 家ではいつも麦茶しか出てこないけど…麦茶とは違う味だ。 でも、これが何というお茶なのか…皆目、見当もつかない。   オレが匂いをかいだりコップの中身をジロジロ見たり…不思議な行動をとっている様に見えたのだろう。 「お茶…口に合わなかった?」 彼女が怪訝そうな顔で聞いてきた。 「あっ…いや。飲んだことのない味だったから…。」 オレはちょっと慌てて言葉を返した。 それならイイけど…と言うようにクスッ…と軽く笑って彼女は流した。 「ねぇ?嫌いな物とか食べれない物ってあった?」 「いや…。大抵の物は食べれます。」   今頃?   と思いつつ、特に苦手な物もないし…それに、ご馳走になる分際で、好き嫌いまで言えないだろ。 「良かった。パスタと唐揚げ作ってるんだけど…クッキングペーパー無くなっちゃった。棚の上に予備があるから取ってくれる?」 彼女にそう頼まれ、出された台に昇ると棚の上がよく見えた。 横には小さめのダンボール箱が見えていた。奥にクッキングペーパーを見つけ手を伸ばす。   …その瞬間。 「あっ!」 手が当たり、宙を舞う箱を目で追った。  
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加