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宙を舞ったダンボール箱は『カシャン』と小さな音をたてて落ちた。
棚の上の高さから落ちたわりには、そんなに中身が飛び出さずにすんだ。
「あ…えっと…ごめんなさい」
台から降りて彼女に謝る。
箱の中身を拾おうとして目についたものは…筆ブラシにハケに…絵の具?!
「あれ?絵…描くんですか?」
そう口にした瞬間、箱の中に見えたもの。それは彼女が男の人と仲良さげに笑顔で写っている写真だった。
オレは…思わず、じっと見てしまった。
それに気付いた彼女は小さな溜め息を一つついた。
「あ~ぁ。見~た~わ~ね~(笑)」
そう言うとペロッと舌を出して“イヒヒ”と意地悪っぽく…わざとらしく笑って見せた。
「と言うより、何処にしまってたのか忘れてたのよ。」
補足…というように彼女は付け足した。
間髪を入れずに言葉を続ける。
「処分するつもりだったし…。もうご飯出来るから。それは横に寄せておいて。」
処分…。
何となく彼女の言葉を気にしつつ、クッキングペーパーを渡すと、言われた通りに軽く片付けて棚の横に寄せて置いた。
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