第1話‐物語りはいつも唐突に‐

4/8
前へ
/8ページ
次へ
待機室にはまだ高校を卒業したてといった感じの初々しい二人が居た。 「あっ、は、初めまして!」 「よろしくお願いします!」 各々、挨拶をしてくる。一人は男で、もう一人は可愛らしい女の子だ。 うは、宮川先輩といい勝負かも……。 俺はすごくこの子を抱きしめたい衝動に駆られるも抑えて口を開いた。 「初めまして、教育係の安田です。気軽にやすピー先輩ってよんでねっ」 後輩になるであろうこの二人にまるで星をつけたくなるぐらいのウインクをかます。 「なにがやすピーよっ!普通に自己紹介しないと眼球抉るわよ。」 「えぇ!?……教育係になった安田です。よろしくね」 俺は仕事で鍛えた営業スマイルを使い爽やかに自己紹介した。 「同じく教育係の宮川です。大変な仕事だけど頑張ってね」 「新しくこのホテルに勤める事になります山崎未来(やまさき みく)ですっ!よろしくお願いします」 俺は男には興味がないので未来ちゃんの名前だけ覚えることにした。 未来ちゃんはスリムな体型である。宮川先輩がクールビューティーというのに反して未来ちゃんはおっとり美人といった感じの顔をしている。 普通ならここで俺が男の方を担当するのだろうが、俺は宮川先輩に男の方を任せて未来ちゃんを教育することにする。 「宮川先輩、リーダーが未来ちゃんは俺に任せるって言ってましたよ。未来ちゃん、行こうか」 俺は未来ちゃんの手をひき待機室をでようとしたところで宮川先輩に捕まってしまった。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加