星降る、夜

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「一緒にさ、行こうよ、アメリカ。俺とさ、同じ飛行機乗って、同じ家に住んで、同じ名前になろうよ」 彼は、頬を染め、照れ臭そうに俯いた。 「お前のわがまま、全部聞いてやるからさ。だから俺のわがままも、聞いてくれよ」 私は、またのどの奥がツンと熱くなって、涙があふれた。 うまく、返事ができるかな。 涙でもう、彼もきれいに見えない。 だけどね。 だけど 私は精一杯の笑顔を向け、 大きく一度、 うなずいて見せた。 彼はそんな私を見て またひとつ、私のわがままをかなえてくれた。 “ねぇ、 抱きしめてくれる?” ★END★
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