星降る、夜

8/10
62人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「おい!お前、何泣いてんだよ!ほら、わがまま、聞いてやったぞ」 アパート下には、 スーツの上着を脱ぎ、 肩を揺らして息をする、 彼の姿。 「なんで・・・…」 私は突然の出来事に、 目をぱちぱちとさせることしかできずにいた。 「お前が会いに来いって言ったから来たんだろ!」 そう言って彼は、にっこりと笑った。 そして、空を指さす。 「天の川、ちゃんと見えるじゃん」 私は指差されたほうを必死にみるけれど、うまく見えずにアパートを飛び出した。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!