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「こっちですよ」「あ、次右に曲がりますよ」
男は道案内をしながら、楓華のことを気遣っているようだった。
ついて行ってるだけなのに何て律儀な人なんだろう…。
楓華はその一言一言に感謝の気持ちでいっぱいだった。
「あそこに見える廊下がこの学園で一番長い廊下なんですよ。本当びっくりするくらい学園がでかいですよね。そう思いません?」
男は楓華が気まずくならないように、たえず話しかけていた。
しかし楓華は緊張と恥ずかしさで、なかなかうまく返答することができずにいた。
「ほ…本当、でっかいですよね!私、この学園を初めて見たとき、学校だとは思いませんでしたから!」
男は、楓華の必死の返事に気付いたようでそれからはあまり話しかけなくなった。
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