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ちょっと理事長、私はここです。目線どこ向いてるんですか。怖いじゃないですか。
楓華がそう思った瞬間、「はい、そうです」と楓華の後ろ、ドアの方から聞こえた。
「わっ!」
楓華は驚きと共に、自分から大きな声が出てしまったことが恥ずかしくて両手で口をおさえた。
「そんなに驚かなくても」
背の高い、すらりとした女の人が、後ろからコツコツと高そうなヒールの音を出しながら歩いてきた。
誰…?理事長席の存在があまりにも大きすぎて全くこの人に気付かなかった…。すみません…。
楓華は心の中で謝る。
ほっほっほと愉快な笑い声がして、
「そりゃそうじゃ。岩波君は気配を消せるんじゃから!」
と理事長が笑い飛ばした。
「ちょっと理事長!初対面の子にそんな事言ったら、そういう印象になっちゃうじゃないですか!」
…すみません、理事長の言ってる意味がよくわかります…。
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