災難と同居人

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「あの校舎は小学部。あっちの校舎が中学部。そしてここが高学部。向こうにあるのが大学部」 岩波は随分おおざっぱな説明をして、楓華に苦笑いをさせていた。 楓華は、おおざっぱだなぁと思いながらも学園内を堪能する。 「広いですねー!」  後で走り回ってこようかな…。うん、これだけ広ければ誰も怒らないよね。 楓華はうきうきしていた。 「図書室はそれぞれの学部に一つずつあるけど、それぞれのレベルに合った本が置いてあるから、小学部の子が、物足りない、と言って大学部の図書室を使ったりしています」 すごい子がいるのよ、たくさん、と岩波は苦笑いをした。 「へぇー、すごいですね…。私なんか小学生のときは絵しか見てませんでしたよ」 と楓華は苦笑いを返した。
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