災難と同居人

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「体育館は全て共通。だけど第1、第2、第3、第4とあるから一つずつ、みたいな感じではありますね」 バスケットのゴールなんかスイッチ一つで高さが変わるし、バレーのネットだって高さ変えるの簡単なんだから、と岩波がうれしそうだった。  やっぱり思っていた以上にすごい学校だな、藤ノ沢って…… 「あ、先生、あそこに見える廊下がこの学園で一番長い廊下なんですよね?」 楓華は自慢げに聞いた。 「あら、よく知っているわね」 岩波はどうして?って顔をしながら微笑む。 「さっき理事長室に行くまでに迷っちゃって…。そしたらとってもかっこいい人が道案内してくれたんです!」 楓華が背景にお花を漂わせながら言った。 「あの人、大学生ですかねぇ……」 聞かれた岩波は、私は会っていないからわからないわよ、と微笑んでからこう続けた。 「そんなにかっこいい人だったなら、すぐにオーラでわかるわよ。それに…すぐ会うことになるかもしれませんよ?」    
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