災難と同居人

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「更に申し上げますと…」 「まだあるの!?」 申し訳なさそうに言うお姉さんに楓華は食いつく。 「入寮手続きも終わっておりませんが…入寮希望ですか?」 「もちろんです!今日から寮に住むもんだと思っていたので、宿泊所から荷物、全部持ってきてしまいました!あ、実家からこの学校は遠いので、ここの近くの民宿に3月終わりあたりからお世話になってたんですよ」  民宿のおばさんと仲良くなっちゃって――ってお姉さんに報告してる場合じゃない! 「え、入寮手続きが終わるまで寮には入れないんですか!?」 「はい、すみません……」 「物置部屋でもいいんです!もう、どこかに泊まれるようなお金は持ち合わせていません!」 楓華は必死ですがる。 「原則、入学手続きが済んでいない者は校舎内には入れません。なので手続きが完了するまで、またその民宿で待機していてください。その間の宿泊費はこちらが負担いたしますので」  何ということ… 楓華は絶望感でいっぱいだった。  
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