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髪は短めで黒のストレート。瞳は透き通った美しい色で、とても綺麗な顔立ちをしていた。
楓華はどきっとした。そしてかっこいい人だなぁと思った。
高校生かな?あ、ここって大学部もあったよね。だったら大学生かなぁ…
などと見とれてしまっている楓華に男はもう一度尋ねた。
「…あの…」
はっと我に返った楓華は、
「あっ…すみません、あまりにも…」その先はもごもごと言葉を濁した。
しばらくの沈黙。
楓華は、頭おかしい子だと思われてるんだろうなとか、この人かっこいいなとか、思考が堂々巡りしていた。
そして、こんなことしてる場合じゃない!この人にも迷惑かけてる!と思い、楓華は迷子なんです、と男に告げた。
すると男は嫌な顔一つせず、笑顔で、
「そっか。俺もこれから理事長室の近くに用事があるから、一緒に行きましょうか」と言った。
ね、と楓華に向けた笑顔はとても美しかった。
「あっ…ありがとうございます」
楓華はりんごを思わせる程真っ赤になっていた。
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