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俺はおれ自身を天才だと思っていた。
周りも俺を天才だとか神童だとか神の子だとまで言っていた。
才能があったんだ。
体術の才能、剣術の才能、勉学の才能、策士としての才能。
そして、気術という、人の生命力を使う未知の術の才能。
さらに俺は努力を惜しまなかったし師匠にも恵まれていた。
俺と同じ位の才能を持った同い年のライバルもいた。
俺の、いや…。俺たちの成長スピードは尋常ではなかった。
10歳のときには、騎士団総代長だった師匠に推薦してもらい騎士団に入った。
そして12歳になったときは、俺たちは各団体の隊長になっていた。
俺が一番隊隊長で俺のライバルが二番隊隊長。
たしかに才能があったんだ。
壊す才能がな…。
しかし俺には守る才能はなかった。
気がついた時はもう遅かった。
大切な人を傷付けてしまっていた。
そして俺、レオン・シグルはすべてを投げ出した。
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