不思議な夜 (前編)

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この日は朝から うだる様な暑さとセミの鳴き声が夏の到来を感じさせ、額に滲み出る汗を雑に拭いがら会社へと向かいました。 昨日飲み過ぎたせいか…頭が割れるように臭い。いや…痛い。 電車に乗ると昼間だからか人もまばらで空いていたので、すぐ席に腰を掛けた。 そして、次の停車駅で奴は乗って来たのです。 その氣志團を思わせる風貌は、まるで北斗の拳の雑魚キャラそのものでした。 エセ氣志團ことハート様は席に腰を降ろすなり おもむろに内ポケットからタバコを取りだし吸い始めたのです。
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