第1章 【誘拐】

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もしこれが誘拐なら、私は人生で2度誘拐されたことになる。 ガチャ!! ビクッ!! 体を起して小さく丸くなる。 さっきの3人…そしてもう1人…。 そうか…運転してたんだ。 「誰!? 何が目的!?」 「誰!? 何が目的!? あはははは!!」 オウム返しのように、私の話し方を真似した男がからかうように大声で笑う。 「写真って何!?」 そう言うと1人の男が数枚の写真を私の前にバラ撒く。 私はじっとその写真を見た。 「……」 それは父が若い女と裸で抱き合っている写真…。 また? またなの? また私は父のせいで誘拐されたの? 「驚かないんだな? ってことは娘公認ってことか。 でも、これを世間にバラ撒いたらどうなるかな?」 1人の男が私の顎を掴んで顔を近づけた。 「汚い手で触らないで!!」 私はその男を睨みつけて、そっぽを向いた。
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