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「大丈夫!? 痛い!?」
すると龍ちゃんは片手で強く私を抱き締める。
「大丈夫…まだ痛み止めが効いてるみたいだ…」
嘘…もう切れててもおかしく無い。
きっと凄く痛いに決まってる。
「龍ちゃん…痛み止め…飲もうか?
水道出る?」
そう言って起き上がろうとした私を抱き締めて、龍ちゃんは放さない。
「龍ちゃん!! 駄目だよ!!
痛いでしょ!?」
すると私の耳元で龍ちゃんは言う…。
「薬は美華が良い…」
ボッと顔が赤くなる。
龍ちゃんは平然とした顔で私を見つめる。
「でっでも…ほら…傷が開いたら困るじゃない?
それに痛み止めを飲ませないと先生に怒られちゃうし…」
「終わってからでも薬は飲める……そうだろ?」
ドキッ…。
龍ちゃんの顔が近い…。
「美華が欲しい…」
その言葉は魔法の呪文のようだった…。
龍ちゃんは自分の上に私を座らせる。
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