第1章 【誘拐】

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男は携帯を取り出す。 「それ!! 私の!!」 身の回りを見てもバッグも無い…。 今、何時なんだろう…朱里にもし何かあったら困るからと1時間後に電話してと頼んであった。 その電話はかかってきたのかな…。 「ほら!! 父親に繋がる。 話せよ!!」 そう言って携帯を耳に当てられた。 プルルルル…プルルルル…。 何を話せっていうの? あなたのせいで誘拐されましたって? 「もしもし、お嬢様ですか?」 この声…お父さんの秘書の長谷部さん。 「あっ…あの…父は…?」 声が震える…。 携帯を持つ男が私にナイフをつき付けたから。 「お父様は現在会議中です。 お急ぎで無ければ折り返しご連絡致しますが?」 すると私の耳から携帯は放された。 「おい!! そこにパソコンはあるか? 今から言うサイトにすぐアクセスしろ!! 大事な娘が今こんな状態だって、小笠原に見せてやれ!! …良いから早くしろ!!」
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