第1章 【誘拐】

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すると時間を計っていた男が手を上げる。 「また連絡する。 パスワードは“デビル”だ」 デビル…悪魔…。 そして男は電話を切った。 「今のじゃ長すぎる。 次からは警察に逆探されないように、電話は短めにしよう」 「あのビデオ…ネットで流れてる…の?」 ピタピタと冷たいナイフが頬に当たる。 「今はパスワードがかかってるから特定の人間しか見れない。 でも、お前の親父次第で全世界に流しても良いと思ってるよ。 お嬢様は全世界で有名人だ」 「そんな…。 要求は!? 何が欲しいの!?」 「おいおい…お前は人質なんだぞ? もっと怖がった顔してもらわないとな…」 そう言うと男は私の制服のブレザーのボタンを、1つ1つナイフでブチ、ブチっと切っていく。 「イヤァ!! やめて!!」 「できるじゃねぇか…その怖がった顔がそそるねぇ…」 男達の表情が全くわからないだけに怖い…。 「今頃、お前の親父さんも青ざめてるとこだろうよ。 よし、もう一度電話するぞ。 時間計れ」
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