第1章 【誘拐】

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あの人が青ざめるわけがない…。 私になんて興味は無いだろう。 ただ、青ざめるとしたら自分の名を汚さないため…。 「もしもし。 見てもらえましたか? お嬢さんは預かってます。 無事に返して欲しければ明日までに6億用意しろ。 用意できなければ娘は死ぬと思え」 ドキッ…。 「警察に連絡したら、娘が死ぬ瞬間の映像を世界にバラ撒くからな?」 そう言って男は電話を切った。 声はボイスチェンジャーで変えいる。 「6億なんて払えるわけ無いでしょ!? それに明日までなんて無理よ!!」 「さすが親子だな。 父親も同じこと言ってたよ。 でも、そのくらいの金すぐに用意できるんじゃないのか? 裏金貰って私腹を肥やして来た親父さんなら」 「裏金…? 裏金って何!?」 「ホントこれだからお嬢様は困ったもんだ。 何にも父親のこと知らないのか?」 冷酷な男ってことだけは知っている…。 「入学試験なんてあって無いような物だ。 金さえ積めば馬鹿でも入れる」
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